現在銀行業界で大きな問題となっているのが、来年3月に終了する金融円滑化法の出口戦略といわれています。同法による処置を受けて返済延期等がされた貸付件数は全国で360万件(約80兆)といわれ、一つの試算ではその10%(40万件・8兆円相当)が問題債権となる可能性が高く、同法が終了した場合、銀行として融資の継続が難しくなる可能性があると指摘されています。このような事態が現実化すると中小企業の倒産増加を誘発し、景気回復への悪影響、銀行行政に対する批判等が懸念されることから、昨年初めより、経産省・金融庁より中小企業の新たな信用補完の手法としてABL(動産担保融資)に対する指導がされていますが、
遅々として進んでいないのが実情です。
全国地方銀行協会(地銀協)は全国の主要地銀64行(総従業員13.5万人)が参加する協会で、昨年12月の金融庁から各行へのABL活用促進に関する検討要請を受けてABL推進に向けた主要地銀にて構成するワーキンググループを設置して検討作業を続けていました。その中で地銀協がASAのABL融資に向けた在庫管理講座であるME-206に興味を持ち、JaSIAより同ワーキンググループにその内容を説明したところ、今回地銀協より同プログラムを協会行に対して提供(来年2月25日~28日)することが決定されました。地銀協では外部講師を招いた講座はよく開催されておりますが、第三者が運営する講座を提供するのは初めてのこととのことです。地銀協としては、これを機会にその他のASAの講座の提供も検討したいとのことでした。
JaSIAとしましては、これを機会にASA及びJaSIAの認知度が地銀の方々にも広がることを期待しておりますし、それに向けて会員の皆様とも協力しながら色々な施策を実行していきたいと考えております。
なお、別途ご連絡申しあげますが、ME-206(在庫評価)の講座を会員・受講生の方々にも提供する予定です。