コベルコ建機インターナショナルトレーディング㈱様のご協力により、2月26日神戸にてレポートライティングセミナーが行われました。
当セミナーにご参加いただいた会員の三浦雅文様が、セミナーについてのレポートを書いてくださいましたのでご紹介させていただきます。三浦様、お忙しい中、いつもありがとうございます!
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Member’s Report
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神戸・建機レポートライティングセミナーに参加して
2期生 三浦雅文
神戸港ポートアイランドにあるコベルコ建機インターナショナルトレーディング㈱(通称KIT)の神戸中古車センターでの建設機械の実査及びレポート作成のセミナーに参加した。コベルコ建機は、神戸製鋼の100%子会社で、その関連会社がKITである。別会社にコベルコクレーンがある。
会場はプレハブ会議室を借りて行われ、参加者は総勢22名であった。講師は、リチャード・バークメイヤー先生。評価対象機械は、小から大までの油圧ショベル4機(3t、12t、20t、20t)である。3機はコベルコ製、何故か1機は住友建機製(20t)で、古い。
9時からKIT福屋社長による国内外含めた建設機械全般のマーケット動向についての説明が始まる。
ショベルのダントツはコマツで、2位がコベルコと日立が並んでいるとのこと。また、中古建設機械は、海外輸出が中心であるため、為替や輸出国の経済状況が価格に大きく影響するとの説明を受ける。普段の不動産評価とは感覚が異なるグローバルな世界である。
したがって、不動産評価と異なり、地域における標準価格(価格水準)はなく、全国一律の価格が通用する世界である。北海道の機械も沖縄の機械も基本の価格水準は同じ。売買は現地有姿(アリスガタと発音するのが業界用語で、不動産と似ている)で、輸送費は買主負担が基本である。
その後、査定担当者から、KITで使用している「中古油圧ショベル査定マニュアル」の解説を受ける。
KITは買取会社であるため、基本情報から、写真の撮り方、チェック項目に至るまで、何が建設機械の査定ポイントかが書かれている。とにかく一番大事な情報は、シリアルナンバー(機械のモデルと年式を特定する)とアワーメータ(hour=時間、機械の稼働時間)。これを忘れると大変なことになりそう。
11時からは、昼食を入れて14時まで、会場の前に並べられた油圧ショベルを、査定部の社員が実際に動かして、機械のチェックポイントについての細かな説明を受ける。
最初は説明を受けても、どれがブームで、どれがアームでと、カタカナが多い。さすがにバッケットくらいは理解できる。名称を一つ一つ覚えるのは大変だが、覚えれば業界の仲間入りが出来そうだ。
油圧ショベルのサイズは、機械の重量で決められている。概ね20tが標準サイズで、その前後で大・小と分かれ、さらに6t以下がミニと呼ばれている。かつてはバッケットの容量で決められていたようだが、いつからか重量表示になったとのこと。おかげで、警察は機械のモデル表示を見て重量がわかるので、積載オーバーを見つけやすくなったのではないか(余談)。
油圧ショベルの査定は、エンジン部分と油圧装置部分が価値の半分を占めるとの説明があった。12tクラスの機械に入っている油量は約200リットル。したがって、細かな箇所での油漏れのチェックが大事となる。また、エンジンや旋回動作も大事なチェックポイントであるため、これから、実際に実査する時にはオペレーターの手配をどうするかが問題となりそうだ。KITの社員でも動かない機械を掴まされた経験があるとのこと。
バークメイヤー先生から、アメリカの中古販売会社は、塗装をし直して販売しているが、日本で行わないのは何故かという質問がなされた。KITからは、買主の大部分は中国を含む東南アジアであり、へんに塗装をしたりすると何か隠していると判断されるため、キズついたまま、錆付いたままのの状態が好まれるからとのこと。日本の機械は信用されている。
14時からは、バークメイヤー先生より、レポート作成についてのレクチャーが始まる。KITによる今までの説明は、インスペクション(検査点検)であって評価ではないとの説明から始まる。インスペクション、すなわち、評価人として機械を見てきてくれという業務はあるが、評価はストーリーである。評価人はどういうストーリーを作るかが評価であると。
さて、自分は今回の建設機械についてどういうストーリーを作るか、悩むところである。
以上