ASA国際資産評価士の認定を受けて(会員 M.M様より寄稿)

この度、ASA国際資産評価士(機械設備)の認定資産評価士(Accredited Member:AM)資格を授与された、会員のM.M様より、今後の抱負を書いていただきましたので、ご紹介させていただきます。
M.M様、お忙しい中、レポートをお寄せいただき、ありがとうございます!

ASA国際資産評価士の認定を受けて

 今回の資格認定を受け、自分の中での評価範囲が拡大することを内心嬉しく感じている。今までは土地と建物の評価だけで、機械設備は評価対象外であり、いつもなんとなく物足りなさを感じていた。この機械設備を含む工場全体の評価額はいくらになるのだろうと。

 ASAの認定を受けることは、機械設備評価という新しい土俵に上がるためのパスポート。いくつかの資格を得てきたが、いくら実力があっても、所詮、土俵に上がらない限り、土俵にいる人間からはシカトされるのが世の常である。
 そして、認定申請書への添付レポートは、これからの自分の評価レポートの雛形になる。おそらく申請者のほとんどが、デモンストレーションレポートを書かなければならない。今回の認定を受け、更なるレポートの品質向上が必要と感じ、マイナーチェンジに着手した。
 認定申請の要件を満たす会員は、一連の試験付講座や各種セミナーの参加など、多額のおカネと貴重な時間を既に投資済みである。登山で言えば八合目の胸突き八丁にいると考え、是非、自分なりのデモンストレーションレポート作成を急がれるべきと思う。資格認定者が増えれば、自ずとノウハウの蓄積が可能となり、会員相互のメリットになる。極めて限られた業界ゆえ、互いに足を引っ張り合う権益もない。

 申請にあたって作成したデモンストレーションレポートは、基本構成を米国の機械設備テキストの「評価報告書」の項を中心に、IVSとUSPAPのチェックリストの項目をどこに記載するべきか、自分なりに判断することが必要となる。なお、JaSIAでは、このテキストについて、会員による翻訳協力を得て、事務局が中心となって進められ、現在その最終段階にあり、出版が待ち遠しい。
 そして、英文であるが、今まで数回受講したレポートライティングセミナーで提供された実際の評価例を左右に眺め、どこが共通しているのかを探しながら作成した。ほとんどが、実際の評価書を書いた経験はないのだから、最初はイイとこ取りの試行錯誤で書くしかない。

 今まで、日本には機械設備等の動産評価制度がなく、ごく一部の人間しか関与して来なかった。しかし、今その門戸がJaSIAによって開かれた。JALの破綻では、航空機評価は、米国から来日して評価したように、ASAの資格は国際資格である。そして、ASAには、航空機、船舶、石油ガス等の分野がある。ASA会員であるため、米国協会からは、いろんな講座開催のメールが来る。まだまだ修得しなければならない分野はあるが、とりあえずの第一歩を踏み出せたと思う。

 今後、不動産以外の評価分野として、地方自治体の公会計への移行に伴い、上下水道等のインフラ評価や海外への機械設備の輸出に伴う技術評価等の知的財産権評価、さらには事業丸ごと評価と、多方面に及ぶ潜在ニーズの発掘と、自分に対する更なる研鑽が求められると実感している。
(M.M)