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経済の国際化に伴って、国際財務報告基準(IFRS)の統合や国際評価基準審議会(IVSC)によるバリュエイションの標準化の必要性が高まっている。我が国においては総合的な資産評価を担うことが出来る本格的なスキルをもった職能は存在せず、ただ独自のスキームと経験を有する一部の専門家が相対で資産評価を実施しているのが実態である。
特にM&A、会社分割等の一般化に伴って事業評価、のれん評価、知的財産評価などの必要性が急速に高まるものと予測されている。かかる意味でグローバルスタンダードに基づいた総合的な資産評価制度の普及、定着、発展とそれを担うプロフェッショナルとしての資産評価士の育成は、極めて大きな社会的意義を有するものであり、関連する広汎な専門家が集合し、アライアンスを組んで高度な社会的ニーズに答えようとするものである。
不動産鑑定制度以外には、日本における資産評価制度はインフラとして確立されていない。流動化の対象となる資産は不動産だけでなく機械設備や船舶、航空機などの動産のほか、企業評価や事業評価など様々な資産によって構成される価値評価が必要である。
また、特許権や著作権、商標権に代表される知的財産や美術品、骨董品などについてもその価値評価についてのスタンダードがほとんど確立されていない。
経済のグローバル化により、国際会計基準の2015年適用が確定視されており、企業構成資産の時価評価が求められている。
現在、IFRSと合わせて、資産評価の領域では国際評価基準委員会(International Valuation Standards Committee)=IVSCが設置されており、国際評価基準が作成されている。 この機関をサポートし、主体的にリードしているのは欧州を中心とする英国勅許鑑定協会RICS(The
Royal Institution of Chartered Surveyors)と米国を中心とする米国鑑定士協会ASA(American Society
of Appraisers)が中心的な役割を果たしている。ASAは国際評価基準において、英国のRICSとの協定により資格の相互性が合意されている。
IFRSは時価評価を前提としており、不動産以外のあらゆる資産について客観的な時価評価を必要としている。
前期のとおり、日本においては不動産以外については資産評価のスタンダードがないので、国際的なスタンダードとなっている国際財務報告基準(IFRS)が認定するRICS又はASAを日本においても導入することが現実的であり、合理的である。
(独自に評価システムを開発することは時間と費用が多大になるばかりでなく、国際評価基準に適合しない評価報告書はマーケットで採用されないので、国際経済において資本調達が不能となり、経済的にマーケットから排除されるに等しい。)
資産評価の評価人資格を国家資格とすることは、各省庁の縦割り行政と既得権に留意すると実現可能性からみて不可能であり、民間主体の認定資格とし、デファクトスタンダードとして機動的に対応することがベターである。
ちなみに米国では、鑑定8団体の上部に鑑定財団(The Appraisal Foundation)を設置し、統一的な運営をしている。
私達、資産評価に係る専門家としては、日本における総合資産評価制度の普及や創設は、目前に迫ったIFRSの実施の前提であると同時に国際的な経済環境の中に競争力を高めるためにも急務であると考え、一般社団法人日本資産評価士協会を設立した。
当協会とASAとの関係は次図のとおりである。
